阿蘇のなかブログ

早いもので、もう7月ですね。

 

今年の当店の田んぼは3月から準備をしておりましたが、

この7月になってようやくひと段落いたしました。

 

 

ここらで作業を振り返ってみることにしましょう。

 

 

 

【3月31日】田んぼを粗起こしして苗代作りの準備を始める。

 

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【3月31日】種もみ(ササニシキ)の温湯消毒を行う。

 

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【4月2日】土を買いにいく

 

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【4月5日】高熱にうなされる

 

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【4月8日】苗代の代掻きをする

 

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【4月11日】ササニシキの種まきを行う

 

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【4月24日】畦塗りをする

 

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【4月25日】亀の尾の種まきを行う

 

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【5月2日】ヒノヒカリの種まきを行う

 

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【5月8日】代掻きを行う

 

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【5月9日】保育参観に行って遊ぶ

 

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【5月10日】苗代のラブシートを全部はがす

 

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【5月12日】下の子がかわいい

 

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【5月16日】田植え前湛水中の田んぼでコナギの発芽を確認する

 

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【5月24日】苗がいい感じに育っている

 

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【5月28日】田植え前湛水中の田んぼが雑草でボーボーに

 

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【5月31日】下の子が1才の誕生日を迎える

 

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私のかけていた「Eye’DC」のメガネフレーム。

 

メガネ

以前ブログでもご紹介しましたこのフレームは私の最もお気に入りのフレームでして、「できることなら一生かけたい」と思っていたのですが、普段使いはもちろん、農作業時にもバンバン使用しておりましたので、とうとうフレームにヒビが入ってしまい、使用することができなくなってしまいました。

 

とても残念ですが、しかし、別れもあれば出会いもある!

新たな相棒となるメガネフレームをゲットするのだ!

 

 

そんなわけで購入したのが、「FACTORY900」のフレーム。

 

IMGP1524

 

かけるとこんな感じに。

 

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この写真だとカッコイイのかどうか全然分かんないですね。

 

 

このフレーム、以前愛用していたフレームに負けず劣らずなかなかかっこいいんですが、ちょっとイカツい&重いので普段使いにはちょっと厳しいんですよね。

 

 

そんな分けて普段は昔購入したオーソドックスなデザインのフレームのメガネを使用しております。

 

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これはこれで気に入っているんですが、ちょっと普通すぎてつまんないですよね。

 

やっぱ常日頃より「ちょっとアイツ普通と違うよね」って感じなフレームを使用したいところです。

 

というわけで次に目をつけているのがTheo(テオ)

オーソドックスな形に最新のデザインを取り入れているという、カッコよくもあり、使い勝手もよいという私にバッチリなフレームなわけですよ。

 

 

そんなTheoで私が狙っているのがコレ。

 

 

UC-311

 

か、かっちょいい・・・。

ぱっと見普通だけど、よく見ると2トーンやん・・・。しかも情熱のレッド・・・!

 

 

 

CAPO-34

これもいい!

濃いブラウンにオレンジってのがgood!!

 

 

 

PORT-8

オッさん臭くなりがちな丸フレームも円部分だけべっこう柄だとこんなおしゃれアイテムになるんですね。

 

うーん、どれにしようか迷いますね。

 

 

 

SLID-12

う、うーん・・・。

 

個性的ではありますけど、会う人会う人に「事故った?」って聞かれるでしょうね。

 

「いや、元々曲がってるんですよ」と説明しても「何で?」って言われるでしょうしね。何でって言われましてもね。

 

 

 



う、うーん・・・。

個性的ではありますけど、会う人会う人に「にわかせんべい美味しかった?」って聞かれるでしょうね。

 

「いや、これはあのお面じゃないですよ」といちいち説明するのも面倒ですよね。よく考えてくださいよ、にわかせんべいのお面をつけて生活するわけがないでしょうが。

 

niwakasenepi※あのお面

 

 

 

TE-321

う、うーん・・・。

個性的ではありますけど、会う人会う人に「たまには子どもを外で遊ばせたほうがいいよ」って忠告されるでしょうね。

 

「いや、私、別に教育ママじゃないザンス」といちいち返答するのも面倒です。

こんなメガネかけて農作業してたら警察でも目をそらしますね。

 

 

 

 

やっぱメガネはちょっと普通めがいいですな。

 

年末。

今年も年賀状の季節がやってきました。

 

 

いろいろあって会社としての年賀状は今年から出さないことに決めた(疎遠になっている生産者はいないので、年末の忙しい時期に大して読まれもしない年賀状を作るより年明けに会った時に直接“あけましておめでとうございます”と言ったほうがよっぽどいいと判断)のですが、やはり自分ちと甥っ子たちの年賀状は作らなきゃいけません。

 

 

でもどうせ作るんなら凝ったデザインの年賀状を作りたいな、ということでまずは素材となるうちの2人の息子と3人の甥っ子の写真を撮ることにしました。

 

 

バッチシ撮るためにレンタル撮影スタジオを借りようかと思ったのですが、どこもいっぱいだったり時間が合わなかったり電話に出なかったりで借りれません。

 

 

うーん、参ったぞ。

でもそこらで適当に撮った写真は使いたくないし・・・。

 

 

よし、これは家で簡易スタジオを作って撮影だ!!

 

 

 

 

まずは部屋の片付け。

 



 

 

んで床にコピー用紙を敷きまくる。

これで撮影照明がなくても多少は明るくなるはず!

 

 

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試しに撮ってみる。

暗いけど、フラッシュとISO上げ上げでなんとかいけそうだ。

 

 

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つーわけで撮影開始。

まずはうちの2番目。まだ一人で座れないのでバンボに座らせて撮影です。

 

 

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やっぱ暗いな!

Photoshop先生で編集しまくるしかないぜ。

 

次に上の小僧。

 

 

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変な顔しかしないなコイツは。もうこれで良し。

 

次は甥っ子たち。

 

 

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よし、撮影終了だ!!

 

 

次に写真の人物だけ切り抜いていきます。

 

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写真をPhotoshopで開く。

撮影照明もなし、フラッシュもカメラのものだけなので背景が飛んでいませんね。

頑張って切り抜いていきます。

 

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真っ白なレイヤーを一枚作って下に置き、明るさや白色の色みを変更して背景をなるべく白に近づける。

 

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人物の回りをどんどん消していく。

大体消せた。

 

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影などの部分はどうせちっちゃくなるので粗めに囲って削除していく。

 

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明るさ調整だけでは白くなりきれなかった部分もどんどん削除。

 

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次に画像をやや暗めにする。

そうすると左右の袖の部分まで白飛びしてしまっているのが分かるので、そこだけ囲って削除する。

 

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その後さらに暗くすると人物は黒、白い部分はグレーになるのでグレーだけ自動選択ツールで選んで削除。

 

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するとこんな感じに人物だけになるのでさらに暗くしてシルエットを作る。

 

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完全に人物だけ真っ黒になるので自動選択ツールで黒だけを選択したままヒストリーブラシを使い人物だけ元に戻していく。

 

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こんな感じで人物だけ戻っていく。

 

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これで人物だけ切り抜き完成。

 

ちなみにちゃんと撮影スタジオで撮影すれば背景は綺麗に白飛びするので切り抜き作業は10秒あれば終わる。

 

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上が以前スタジオで撮影した写真。

背景は完全に白いが人物は全く白飛びがない。光源も自然。

 

あとはちょっと白を調整して選択して削除するだけ。

このままでも十分使えるので全く編集する必要すらない。

 

 

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さて、年賀状作りに戻る。

 

上のような「顔はいいけどポーズがゆがんでいる」写真は

 

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こういう「ポーズはいいけど顔が変」な写真と

 

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合成する。

撮影時にとにかく何枚も撮っておくと合成素材が増えて吉。

 

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よく見るとこいつだけカーテン閉めて撮影したせいで向かって右から光が当っておらず、上の照明とカメラのフラッシュだけが光源となっているので他の写真と比べて不自然。

 

そのため大まかに選択して選択範囲をぼかし、明るさを上げたり下げたりして人為的に光源を作り出す。

 

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こんな感じに。

 

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3人とも切り抜き完成。

でもちゃんとした照明で撮っていないので3人とも色加減や光源がやっぱりバラバラ。

カラーじゃちょっと辛い。

 

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発想の転換だ。モノクロでいいや。

 

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人物ごとに明るさを調整して統一感を出す。

人物だけじゃ寂しいので羊さんを追加。

 

 

統一感は出たけどめでたい年賀状には渋すぎる。

 

そこで落書きすることにした。

 

 

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クレヨン調のブラシで落書き。

 

なんとなくミニーちゃん。

足が寒そうなのでムートンブーツを履かせる。

 

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こいつは小1なので仮面ライダーとか好きに違いない。

というわけで変身させる。

 

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落書きの難しい和装。

兜を被せて刀を持たせる。

 

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なんかあんまりモフモフしてなくて羊と分かりづらいので角を描く。

寒そうなのでマフラーを追加。

 

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こんな感じになった。

 

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あとは申し訳程度にHappy New Yearの文字と名前を追加。

フォントは落書きに合わせてクレヨン風フォント。

 

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うちの小僧どもは割りと色合いがいい感じだったのでカラーのまま落書き。

 

上の小僧はジバニャンに変身、下の小僧はどうしたらいいのか分からなかったので風船とダッフィーを持たせる。今考えると羊に変身させればよかったかも。

 

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甥っ子たちの年賀状はなんか緑が足りなかったので羊のマフラーと文字を緑に変更して印刷。

 

 

うーん、こうして完成品を見てみるとセンス抜群ですな。

自分で言うのもなんなんですど。

 

 

作業時間は4時間くらい。

多分これまで触れたことのないPhotoshopの機能を使い果たせればもっと効率よく作業できるはずだ。

今年は我流オンリーで使っているPhotoshopとIllustratorを改めて勉強しよう。

 

今日はクリスマスイブ。

 

 

明日はクリスマスですので息子にプレゼントを渡さなければいけません。

 

プレゼントは「仮面ライダードライブ」のおもちゃを購入済み。

 

ですので後は「夜中、寝ている間にサンタさんがやってきて置いていった」という設定に基づき、明朝、枕元に置いておくだけなのですが・・・

 

 

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包装もなにもしていないので、このままだとちょっとパッケージがシブすぎますね。

 

中途半端に剥がした発送ラベルもどこか悲しげ。

 

 

つーか、そもそも

 

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「毎度、お買上げありがとうございます。」って書いてある時点でやばいですね。

 

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しかも安心のエディオンですからね。

 

「サンタの奴、家電量販店で買ったんかい!!」と突っ込まれるかもしれません。

 

 

まぁ息子はまだ文字は読めないんで「うむうむ、これはスペイン語で”メリークリスマス!”って書いてあるね」とか「エディオン・・・、それは世界中のサンタが集う約束の地・・・」とか言って適当に嘘をついていればいいんです。

 

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まずいな、「ドライバーの皆様へ」って書いてある。

 

サンタさんもドライバーではあるので(ソリだけど)あながち間違いではないんだけど・・・。

 

 

これはやっぱり包装するしかないな。

 

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「あら、どっかで見たことあるわね」とお思いのそこのアナタ、通ですね。

 

そう、これは当店のギフト用包装紙

 

色もクリスマスっぽいのでちょうどいいです。

 

けどやっぱり見た目が「御歳暮」ぽいですね。でもリボンなんてないし・・・。

 

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別にリボンとか西洋風にこだわる必要はないんじゃあないんですかね。わたしゃそう思いますよ。やっぱね〜日本の伝統を大事にしていくという気持ちこそが、その気持ちこそがね、これからのクリスマスには必要なんです、わたしゃそう思いますよ。

 

 

いや、それだけじゃない。

 

 

「パパ~、サンタさん来たよ!わーい!」

 

「お、そうか!よかったなぁ〜」

 

「ん?このマークなんなの?」

 

「うむ、それは熨斗鮑(のしあわび)と言ってな。そもそも熨斗とは古来・・・」

 

 

熨斗をつければお勉強にもなるんですね。普通のクリスマスプレゼントじゃこうはいかない。ありがとうサンタさん。

 

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でも「父より」はダメだな。「サンタさんより」のほうがいいですね。

あと「クリスマスプレゼント」より英語で「Merry Christmas」のほうがいいかな。

 

 

いや、なんかもうそういう問題でもないな。

 

 

もうこの際、全部引っぺがして、おもちゃエディオンの納品書だけ枕元に置いとこう。

 

 

 

いや、もうエディオンの納品書だけ置いとこう

 

そう、あれは9月上旬の土曜日の事でした。

 

 

田んぼの除草の疲れを癒やしに近所の温泉にでも行こうかと思いたちましてね、一人で行くのもなんなんで、3才になる息子と一緒に行ったんです。

 

 

 

 

温泉は家から車で10分かからないくらいのとこにありましてね、すぐに到着しました。

 

 

駐車場に止めて子どもを車からおろして荷物を取り、温泉のある建物まではしばし歩きます。

 

 

 

そうしますと・・・・子どもがなんか一人でブツブツ言いながらピョンピョン飛び跳ねてるんですよ。

 

 

 

よく聞きますと「ナガネギマン参上!」とか「ハッハッハ、さらばだ!」とか言ってるんです。

 

 

 

 

・・・ははぁ、これはナガネギマンだ、私はそう感づきました。

 

 

 

 

ナガネギマンと言いますのは人気アニメ「アンパンマン」に出てくるキャラクターでして、その名の通りナガネギをモチーフにしたキャラです。

 

 

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アンパンマンがピンチになるとどこからともなく現れる正義の剣士、それが「ナガネギマン」です。

 

 

このナガネギマン、登場シーンで必ず「ハッハッハ・・・ハッハッハ・・・正義の剣士、ナガネギマン参上!」」と言いながら参上し、帰り際には「さらばだネギ!・・・ハッハッハ・・・ハッハッハ・・・・」と、これまた笑いながら帰っていくというお約束のセリフがあるのです。

 

 

 

 

この強くてカッコいいナガネギマンですが、実はその正体は冴えないネギ売りのおじさんである「ネギーおじさん」。

 

 

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いつも「おいしいネギはいらんかね〜!」と言いながら自分で作ったネギを売り歩いております。

 

 

 

このホンワカパッパなネギ売りおじさんがマスク・オブ・ゾロみたいな正義の剣士に変身するんですから、そのギャップが子どもにはたまらないのでしょう、息子はこのナガネギマンがアンパンマンの中では大変なお気に入りキャラなんですよね。

 

 

 

 

 

そんなこんなで息子は車から降り、建物まで歩き、さらに建物に入って脱衣所に行くまでの間、ずっとナガネギマンの真似をして「そこまでだバイキンマン!」とか「正義は必ず勝つネギ」とか言いながら飛んだり跳ねたりしておりました。

 

 

 

 

 

 

脱衣所に入りますと、中はかなり混雑しておりました。

土曜日でしたので地元だけじゃなく県外からのお客さんも多いようです。

 

 

 

 

空いているロッカーを見つけて荷物を入れたら先に子どもの服を脱がせまして、今度は私が服を脱ぐ番です。

 

子どもが勝手に先にお風呂の方に行って足でも滑らせたら大変なので「一人でお風呂のほう行っちゃダメだぞ」と注意しつつ服を脱いでおりました。

 

 

 

 

 

 

 

それは上着を脱いで次は下を脱ごうと履いていた短パンに手を掛けた時のことでした。

 

 

 

 

背後から「おいしいネギは〜いらんかね〜!」と、どこかで聞いたことあるセリフが、どこかで聞いたことのある声で聞こえてきたんです。

 

 

 

 

振り返ると、うちの息子がニコニコ顔をしながら

おいしいネギは〜いらんかね〜!!

脱衣所中に聞こえる大声で叫んでいるのです。

 

 

 

これはマズい

私はそう直感しました。

 

 

 

 

 

もちろん息子は件のネギーおじさんのセリフを真似ているだけなんですが、ネギーおじさんなど知る由もない脱衣所内の客から見れば、どう見ても子どもが親が普段しゃべっている言葉を真似して楽しんでいるように見えます。

 

 

 

運の悪いことに、8月を丸々一ヶ月田んぼの除草に費やした私の肌の色はどうひいき目に見ても農家のそれであり、元々の地黒質の肌と相成ってそれはそれは見事なまでの真っ黒肌となっておりました。

 

 

 

そんな出で立ちで佇む半裸の私のそばで聞こえる、我が子によるネギ売りの口上

 

 

 

これでは傍からみれば完全に私はネギ農家です。

 

 

 

 

 

それだけではありません。

 

 

息子のセリフは「おいしいネギは〜いらんかね〜!」であります。

 

 

 

セリフ通りに解釈すれば、この子の親、つまり私はネギを作っているだけではなく、ネギを自ら売りさばく、つまり「ネギの行商」を行っているわけです。

 

 

 

しかもネギ売りのセリフを叫んでいる息子も私の血をしっかり引いており、完全に地黒

夏に外で遊んだことによる日焼けも加わって私並みに真っ黒です。

 

 

 

そんな色黒の息子が「おいしいネギは〜いらんかね〜!」と叫んでいるのですから、これはどう見ても普段から息子が父のネギ売りを手伝っているようにしか見えないのです。

 

 

 

これはいけない、とそんな息子の所業を止めようと思った矢先、息子はシュンとしょげたように下を俯き、「はぁ〜、今日も売れないネギ…」と、さらに突っ込んだ真似をし始めました。

 

 

 

脱衣所内の客が息子を見張り、そして私のほうを向き「まさか」という目で見つめてきました。

 

「まさかネギ農家であろうこの男性は、普段、語尾に“ネギ”とつけて喋っているのか……!?」

 

 

 

誤解がさらなる誤解を生む。

脱衣所はネギによる誤解のスパイラルに陥りました。

 

 

 

ふと隣りを見ると、腰にタオルを一枚まいた白髪の老人が、微笑ましい、けれど少し憐れんでいるような瞳で我々親子を見つめておりました。

 

 

この老人の脳内には、真夏の太陽が照りつける暑い中、収穫したばかりのネギをたんまり載せたリヤカーを引きながら「おいしいネギは〜いらんかね〜!」と叫ぶ我々親子の姿が映っていたに違いありません。

 

 

よく見るとその老人の目にはうっすらと涙のようなものすら見えます。

 

 

きっと脳内で

 

「父ちゃん、今日も父ちゃんのネギ売れなかったね

「そうだね。でも明日はきっと売れるネギ

「うん。……母ちゃん、早く帰ってくるといいね

「……そうだね。ようし!今日の夜飯は元気つけるためにネギ鍋だネギ!」

「ええ〜〜!昨日も、その前もネギ鍋だったじゃん!」

「そういえばそうだネギ(笑)」

「もう父ちゃんったら〜!」

 

という架空のネギ売り親子物語全三部作くらいで展開されていたのでしょう。

 

 

私は老人に

「違うんです。確かに私は農家は農家ですけど米農家なんです。でも語尾に“コメ”とかはつけません。しかも作ったお米はインターネットで売っているんです。あと、母親は家にいます

と言いたかったのですが、必死に申開きしたところで

「いいんだよ、分かってる、分かってるから。ぼうや、お父さんのネギを買いたいんだが、一本いくらだい?

と返されそうなので、私は仕方なく相変わらずネギ売りのセリフを叫び続ける我が子を抱きかかえ、逃げるように浴場へ走り去ったのでした。