生産者
長野訓之
生産地
熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽
品種
ササニシキ
農薬の使用
使用なし
肥料の使用
使用なし
農薬不使用の年数
9年目
化学肥料不使用の年数
14年以上
肥料不使用の年数
圃場9年目 / 苗土5年目※2016年までは苗土にのみ有機肥料を使用
2021年5月8日、長野訓之さんが田植えを行いました。今年も引き続き「ササニシキ」を栽培いたします。
今年は組合で新しい田植え機を導入したそうで、無農薬栽培の田んぼでは長野さんの田植えが初めてだそうです。この田植え機、なんとGPSがついており、自動で直進してくれるとのこと。藤原浩二さんがクボタの人にレクチャーを受けながら植えていきます。藤原さん、自動直進はどんな感じですか?
「うーん、普通に歪むバイ」
代掻き後の土がニュルニュルした田んぼをまっすぐ進むのはやはり機械でも難しいようですね・・・。とはいえ、激しく歪むこともないようで、これなら田植えに不慣れな新規就農者や勝手の分からない田んぼの田植えなどもある程度はきれいに植えてくれそうです。
昨年は育苗中の苗が著しく徒長し枯れてしまう「イネばか苗病」がやや見受けられたため、今年度は当店のササニシキの種籾を使用し育苗している長野さん。昨年よりも少なくなったものの今年も少しありますね。種籾を更新し温湯消毒を行って無菌の赤土で育ててもばか苗が発生するということは苗箱か育苗ハウスの土が原因でしょうか。
イネばか苗病にかかった苗は田植え後に枯死するので収穫量の低下につながりますが、お米の品質には全く影響はありません。しかし、ただでさえ収穫量の低い自然栽培米には頭の痛い問題です。種籾や苗箱の薬剤消毒を一切行うことのできない自然栽培は工夫と知恵で病気と戦っていかなければいけません。
2021年6月13日。稲の写真を撮りに生産者のみなさんの田んぼを回っていると、長野昭子さんが酒米・山田錦の田んぼで除草を行っておりました。
「もう草がこぎゃん生えとるばい」
レーキで稲の周囲の土をかき混ぜるように除草を行います。この田んぼはさほど広くはありませんが、それでも一株一株をレーキで除草するとなると大変な手間がかかります。
2021年9月16日、稲刈りを行いました。
本来は9月19日に稲刈りする予定でしたが、明日9月17日には九州に台風が上陸するとの予報を受け、急遽刈り取りを行うこととなりました。確か、昨年も台風の影響で慌てて刈っていたような・・・。今日一日は曇り予報ではあるものの、急いで刈りましょう。
北野悦之さんが3周ほど刈ったところだったでしょうか。よく見ると4条刈りのうち3条しか刈っておりません。北野さんがコンバインを降りてチェックしたところ・・・・。
「あいた〜!!刃が折れとるバイ・・・」
コンバインはのこぎりのような刃でイネの根本を刈り取っていくのですが、その刃が折れてしまったようです。刃は消耗品ですからいつ折れてもおかしくないのですが、よりによって台風前に急いでる今日折れるかね・・・。すぐにクボタに連絡すると在庫があったようで、1時間ほどで新品の刃が届き、事なきを得ました。
今年の長野さんの田んぼ、相変わらずヒエの姿は全くありませんが、コナギが少しありますね。すると長野さんのお隣に座っていた奥さんの昭子さんがこう言いました。
「夏の間ずっと田んぼに入って草取っとったのは何だったんだろ、て思いますよ」
"あれだけ除草頑張ったのになんでこんな草生えるの" それは無農薬栽培を行う農家共通の悩みです。雑草に完勝することを目的に開発された除草剤の使用を拒否した我々は、結局雑草に勝つことはできないのでしょう。まぁでもそれでいいじゃないですか。雑草も必死に生きてるんだし、ほどほどに除草したら後は共生を目指しましょう。