2015年までは阿蘇郡西原村の棚田で米作りを行っていた毛利秀幸さんですが、2016年に発生した熊本地震により田んぼが崩れ使用できなくなったため、2016年度より熊本県は益城町で新たに田んぼを借り、米作りを再開いたしました。
2021年度は益城町の田んぼに加え、南阿蘇村でも田んぼを借り受け、米作りを行います。
今年は益城町に加えて南阿蘇村でも米作りを行う毛利さんですが、益城の田んぼと南阿蘇村の田んぼは30kmも離れているので管理が大変です。田植え機と苗をトラックで運んで田植えを行いました。
2反(20a)ほどのこの田んぼは元々宇都宮政志さんが作っていた田んぼで、宇都宮さんが熊本地震の影響で同じ村内の別の地区へお引越しされてからは誰も作っておりませんでした。今年から毛利さんが宇都宮さんと同じく無農薬・無施肥の自然栽培で「亀の尾」を栽培いたします。
南阿蘇村での米作りは初めてといっても、毛利さんは西原村、そして益城町で米作りをしている時から南阿蘇村の喜多ライスセンターでお米の乾燥、籾摺りを行っており、そのため北野悦之さんや高島和子さんをはじめとする南阿蘇村の自然栽培米の生産者の面々とは顔なじみです。
2021日9月30日、南阿蘇村の田んぼで亀の尾の脱穀を行いました。
なんとこの南阿蘇の亀の尾の田んぼですが、全て掛け干しで乾燥するということで、阿蘇山を間近に望むこの田んぼには稲干し台にかかった脱穀前の稲がずらりと並んでおります。
田の端の一角では地面から水が湧いてぬかるんでいるため、稲刈りと結束を行う機械であるバインダーが入れないので、手刈りしていきます。毛利さんが鎌で稲を刈り、息子さんが麻紐で結束。地下水豊富な南阿蘇の田んぼでは地面から水が湧いてくることも珍しくありません。
次に乾燥済みの稲をコンバインで脱穀していきます。稲干し台から稲を取り、コンバインで脱穀。この籾は喜多ライスセンターで乾燥、籾摺り、選別、袋詰めを行います。
いや〜、しかしこの面積を掛け干しするのは大変だったでしょ。何人でやったんですか?
「たまに応援もありましたけど、基本的には息子と二人ですね」
この面積を基本二人ですか!それは大変ですね。当店もかつて3反の田んぼを掛け干しにしたことがありましたが、5人がかりで3日かかりましたよ。”もうクタクタですよ”と笑う毛利さん。こうして無農薬・無施肥、かつ自然乾燥のお米は作られているのです。