生産者
須古真さん
生産地
熊本県阿蘇郡南小国町
生産年度
2019年産(令和元年度)
品種
ササニシキ
農薬の使用
使用なし
肥料の使用
使用なし
農薬不使用の年数
5年目
肥料不使用の年数
5年目
阿蘇郡南小国町。全国屈指の人気温泉である「黒川温泉」や風光明媚な「瀬の本高原」など観光地で有名な同町ですが、九州最大の河川である「筑後川」の源流域となっているほど湧水の豊富な地域であり、その湧水を使用して作るお米は特に美味しいと評判です。
そんな南小国町で農家を営む須古真さんは、農薬や化学肥料を使用しないお米作りを行っております。
令和元年度産のお米の収穫後の2019年11月に当店と取り引きが始まりましたが、米作りの写真がなかったので、2020年4月から始まる令和2年度の米作りの様子を写真に撮って商品ページを作成いたしました。よって、販売するお米は令和元年度産、下記の生産の様子は令和2年度の作業となります。
農作業の少ない冬季は林業に携わっている須古さんですが、2019年12月、切り倒した木が直撃するという大事故に見舞われました。すぐに病院で手術を受け入院、その後退院したものの、2020年4月現在も足をかばいながら歩く状態で、重い物をもったり、長時間の作業はできないそうです。
2020年4月18日、種まきを行いました。
須古さんはまだリハビリ中でハードな作業ができないため、大森博さんや高島和子さんの元で研修を行っている赤城さんなど数名の仲間がお手伝いにきております。
本日種まきする品種はササニシキ。須古さんは当店と同じく「ポット」で育苗するので、ポット苗専用の種まき機と苗箱を使用しております。苗箱をセットし、床土と覆土と種籾を入れるとあとは半自動で種をまいてくれます。種まきが終わった苗箱は軽トラに積み込み。1時間ほどで200枚ほどの種まきが終了。すぐに近くの苗代に運びます。
脱水した籾を乾かして種まきする
ポット専用の種まき機は半自動で楽ちん
苗代はまだ水が引いていなかったので、しばし水を抜いて、ほどよく水が引いたらまずは苗の下に敷く根切りシートを設置します。これを敷かないと田植え時にいざ苗箱を取ろうとしても根がガッチリ土をつかんでなかなか取れません。
根切りシートを敷いたら上から苗箱を並べていきます。代掻きしたあとの柔らかい苗代ですから、苗を運ぶのも一苦労。田んぼの中をズッポズッポと転ばないように気をつけながら重い苗箱を運び、並べていきます。
苗箱を並べたら苗箱と土の隙間をなくすための鎮圧作業を行います。土が柔らかいため、鎮圧ローラーを軽く転がすだけでしっかり密着するようです。
途中、大森さんが関心したように頷きます。「今年は完璧に水平が取れとるね」。鎮圧した苗箱を見ると、端から端まで高低差数mm〜1cm程度と、苗代がかなり平らに均してあります。「今年は代掻きのあとに角材を引っ張って均しました」と須古さん。まだ普通に歩くことすらままならない状態にも関わらず、数mの木材を引っ張って苗代を均したそうです。
苗代での育苗は土の高低差がそのまま苗の出来に反映されますが、これを見ると今年は良い苗ができそうですね。
最後に苗箱の上から保温・保湿のための不織布と有孔ポリをベタ掛けします。阿蘇郡南小国町は阿蘇の中でも標高が高い地域で5月に入っても最低気温が0度近くになることもあるため、不織布のラブシートは2枚重ねるなど、保温は念入りに行います。
今日種まきしたササニシキは5月中旬以降に田植えを行います。田植えが終われば除草作業が待っていますが、実は須古さんは「再手術が必要かもしれない」というほど完治にはまだまだ至らないそうで、それを聞いた大森さんら農業仲間は「俺たちが交代で除草にくるけん、心配せんでいいばい!」と励ましておられました。
まずは根切りシートを設置
南小国町の山あいに苗代はある
苗箱を横に2列ずつ慎重に並べていく
不織布の端は飛ばないよう土に埋める