生産者
酒井忠晃
生産地
熊本県阿蘇郡産山村田尻
品種
コシヒカリ、イセヒカリ
農薬の使用
使用なし
肥料の使用
自家製牛堆肥牛の餌は阿蘇産牧草のみ
農薬不使用の年数
20年〜30年
肥料不使用の年数
20年〜30年
阿蘇郡産山村の農家である酒井忠晃さんは「アイガモ」を田んぼに放って雑草を食べてもらうことにより除草剤を使わずに米作りを行う、いわゆる「アイガモ農法」でお米を作っております。
アイガモを田んぼに入れる際は、食育を目的として、毎年同じ村内にある「うぶやま保育園」の園児たちにアイガモを入れてもらっております。今年は残念ながら取材に行けませんでしたので、これまでの写真を掲載しておきます。
2014年のアイガモ入れの様子
2015年のアイガモ入れの様子
2017年のアイガモ入れの様子
今年の夏はとにかく暑かったのですが、アイガモたちはバテることなく除草作業に精を出していたようで、稲刈り前の田んぼにはヒエ一本見当たりません。
山林に囲まれた場所にある酒井さんの田んぼですが、今年はイノシシに被害が全くなく、「去年近くで猟師が一匹捕まえたんで、他のイノシシもあまり近づかないんだろう」とのこと。他にも電柵だけでなく網を張っていたのが効果があるようでして、これは今年かなりのイノシシの被害にあった当店の田んぼも参考にしたいと思います。
この田んぼに植えている品種は「イセヒカリ」ですが、現在では主な農作業を行っている娘の美由紀さんいわく「もうそろそろ稲を刈りたい」とのこと。10月に入って数日おきに雨が降っているためなかなか刈るタイミングが難しいですが、次に晴れの日が数日続くようなら稲刈りを行うそうです。
幸い2度に渡る台風の被害もなかった
穂先も枯れはじめ稲刈り適期に
この棚田の一番下の田んぼは熊本地震で法面が崩れ、その後今年に入って復旧工事を行ったため、今年度は何も植えておりません。
復旧工事がてら、排水対策のための暗渠と溝掘りを行ったのですが、田んぼを掘ったらどじょうがたくさんいたので、工事業者さんも驚いていたそうです。
数十年前、除草剤を撒く作業に嫌気がさして「もう除草剤は振らん!」と奥さんに宣言した酒井さん。その後今から30年前にはアイガモ農法を始めて、その他の農薬の使用も一切止めました。
以来、一時は姿が見えなくなったどじょうが田んぼに戻ってきて、今では驚くほどたくさん棲み着いております。
復旧工事を行った田んぼは作付けしていない
手前の溝を掘ったところ大量のどじょうがいた