生産者
大森博
生産地
熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽
品種
ササニシキ、イセヒカリ
農薬の使用
使用なし
肥料の使用
使用なし
農薬不使用の年数
8年目
化学肥料不使用の年数
8年目
肥料不使用の年数
5年目
2018年5月9日、大森さんの苗代には、3葉ほどに成長した苗の姿がありました。
かつてはこの田んぼのすぐ近くにお住まいでしたが、熊本地震にて家が半壊。その後取り壊しを行ったため、現在は南阿蘇村内の別の場所へお引越しされております。
ご自身の環境は変わりましたが、苗土にも肥料を入れず苗代で自然に近い環境で育てる、といった育苗は変わっておりません。
軽く代掻きした田んぼで苗を起いて田植えまで育てる
種籾を薄撒きしているので無施肥でも成長が良い
5月28日、田植えを行いました。
この日は朝から小雨が降っており、大森さんも合羽を着込んで作業しております。
田植え適期の目安とされる、黄色がかった薄緑をした苗を田植機に積み込み、田植えを始めます。
使用している4条の田植機は、まだ栽培面積が少なかった頃に購入したもの。だから栽培面積がずいぶん増えた現在の規模には合っておらず、「田植えに時間がかかりすぎるけん、そろそろ6条くらいが欲しかですね」。6条になれば単純に田植えのスピードも1.5倍ですもんね。でも高価な田植機を導入すれば、下手したらローンを返すためだけの農業になってしまいます。規模拡大を目指す農家には悩みの種はつきません。
苗代から積んできた苗箱を田植機に載せ替える
雨で水が深いがこの程度なら問題なく田植えできる
少し植えたら植え付けの深さを確認
苗がある程度活着したら一回目の除草作業を行う
10月3日。白川沿いにある大森さんの田んぼへ着くと、ちょうど稲刈りを始められるところでした。
一足先に刈り終えた「掛け干し」の田んぼの上の段へコンバインを運び、外周から稲刈りを始めます。
今年は少し雑草が多かったそうですが、その原因としてジャンボタニシの減少が考えられるとのこと。この辺りは地温が高いため、高冷地にも関わらずジャンボタニシが棲み着いており、初期除草に一役買っているのですが、これが今年はほとんど姿が見えなかったそうです。「今年の1〜2月がとにかく冷えたんで、越冬できなかったんじゃないか」と大森さんは推測しておりますが、もちろん除草機で除草作業を行ったので、大森さんの田んぼには特に目立つほど雑草の姿はありません。
大雪に猛暑、地震に台風。農業は変わり続ける環境に適応し続けていく必要がありますが、そんな現代に適している農法は大森さんを始め、当店の生産者の多くが行っているように「農薬も肥料も一切使用せず自然の力だけで育てる」農法なのかもしれません。
稲刈りを行う大森さん。下の田んぼは掛け干し中
2度の大型台風が来たが稲は倒れずにすんだ
角の稲は手刈りしてコンバインに直接かける
大森さんの田んぼを遠景より望む。左に流れるのが白川