
生産者
緒方孝行
品種
イセヒカリ
生産地
熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽
農薬の使用
使用なし
肥料の使用
使用なし
農薬不使用の年数
7-8年目
肥料不使用の年数
7-8年目
化学肥料不使用の年数
17年以上
1989年、伊勢地方を襲った強い台風により伊勢神宮の神田で栽培していたコシヒカリは完全に倒伏しました。しかし、その中に2株だけ倒伏せずに直立していた株がありました。その株の籾を採取し、栽培したのが「イセヒカリ」です。
コシヒカリの突然変異種であるこの品種は、その発見の経緯からも分かる通り、倒伏に強いのが特徴です。稲は倒れると、当然倒れた下側の葉は影になり光合成ができなくなります。しかし、倒伏に強い=倒れないということは、全方向から光合成をきちんと行うことができるので登熟が進み、美味しいお米ができるのです。
また、イセヒカリは硬質米であり、コシヒカリ系のお米の割にはベチャベチャせずにしっかりとした歯ごたえがあります。品種特性としてたんぱく含量が低いこともあり、非常に良食味であることがイセヒカリの最大の特徴です。
その由来からイセヒカリは別名「神の米」とも言われており、伊勢神宮では現在でもイセヒカリを御神米として神様に奉納しております。
2019年5月11日。緒方孝行さん宅に訪れると、何やら緒方さんが浮かない顔をしていらっしゃいます。
「どーも苗の伸びが悪いよとなー」
現在、自然栽培の苗はイセヒカリと酒米・山田錦を並べていますが、ほっといてもどんどん伸びる山田錦の苗と違って、イセヒカリは伸びが悪いようです。「こりゃイセヒカリの半分は他の品種ば撒き直さなんかもしれんばい」。当店も数年前、苗作りに失敗して500箱くらい撒き直した経験がありますが、苗は毎年成長が違うんで管理が難しいんですよね。
その後、緒方さんは田んぼ1枚分の苗を「森のくまさん」に撒き直したとのことです。
2019年5月28日に田植えを行いました。
すでに「イセヒカリ」の田植えは終わっておりますので、この日は急遽撒き直した「森のくまさん」の田植えを行います。「どうなるかと思ったばってん、なんとか田植えできるばい」緒方さんほどのベテラン農家でも完全に管理できないのが育苗の難しさ、いや、農業の難しさです。
雨が降る中、田植えがスタート。雨の田植えは水温が上がらず苗の活着が遅くなるという欠点はありますが、苗土が乾かないので慌てずに田植えできるという利点もあります。苗もちゃんと伸びて、というか、遅く撒き直した割には結構ガッツリと伸びてますね。当店も森のくまさんを作ったことがあるのですが、コシヒカリやヒノヒカリよりも苗の伸びが早いんですよね。
今日はお手伝いなしなので一人で苗運び
今日は一枚だけなのでゆっくり田植えする
撒き直した森のくまさんは立派に成長した
雨で水温は上がらないが苗は水々しい
2019年9月24日、「イセヒカリ」の稲刈りを行いました。
コンバインの乗って稲を刈るのはもちろん北野悦之さん。ライスセンターからコンバインで直接やってきて、すぐに刈り始めます。緒方さんはコンバインでは刈れない田んぼの入り口と四隅の手刈りを行い、その手刈りした稲をコンバインにかけて脱穀します。
「ほれ、稲もちゃんと育ったろ」
撒き直さずにそのまま植えたイセヒカリですが、成長が心配されたものの、終わってみればきちんと分けつして立派な稲穂をつけております。無施肥で栽培する稲は、田植え後から7月くらいまでは「ちゃんと育ってるのか?」と心配するほど成長が遅いものの、まさに「秋まさり」といった具合に、秋に入ると帳尻を合わせたかのように立派に成長します。
イセヒカリの稲刈りを行う緒方さんの田んぼ
手刈りした稲はコンバインで直接脱穀する
籾をコンテナに移しライスセンターへ運ぶ
今日のライスセンターの受け入れ当番は高島さん
無農薬栽培米のみ取り扱い 当店は農薬や化学肥料を使用せず栽培したお米のみ取り扱いしております。万が一にも慣行栽培のお米が混ざることはありません。
信頼できる生産者たち 有機農産物は信頼性が第一。当店では阿蘇地域の生産者とだけ取り引きを行い、さらに栽培期間中は各生産者の圃場へ月に2回以上行き、栽培の様子を直に確認しております。
無料で脱酸素剤パック お米(5kg売り)には脱酸素剤を入れて無酸素状態にすることで、輸送中や保存時におけるお米の酸化や虫の発生による品質低下を防止しています。
ご注文後に精米いたします お米の精米度合は玄米、白米、7分づき、5分づき、3分づきの5種類から無料にてご選択が可能です。
玄米、白米、分づきが選択可能 お米は精米した瞬間から品質低下が始まります。当店では精米をご注文後に行うことで、できるだけ新鮮なお米をお客様の元へお届けいたします。