生産者
緒方孝行
品種
イセヒカリ
生産地
熊本県阿蘇郡南阿蘇村河陽
農薬の使用
使用なし
肥料の使用
使用なし
農薬不使用の年数
8-9年目
肥料不使用の年数
8-9年目
化学肥料不使用の年数
18年以上
1989年、伊勢地方を襲った強い台風により伊勢神宮の神田で栽培していたコシヒカリは完全に倒伏しました。しかし、その中に2株だけ倒伏せずに直立していた株がありました。その株の籾を採取し、栽培したのが「イセヒカリ」です。
コシヒカリの突然変異種であるこの品種は、その発見の経緯からも分かる通り、倒伏に強いのが特徴です。稲は倒れると、当然倒れた下側の葉は影になり光合成ができなくなります。しかし、倒伏に強い=倒れないということは、全方向から光合成をきちんと行うことができるので登熟が進み、美味しいお米ができるのです。
また、イセヒカリは硬質米であり、コシヒカリ系のお米の割にはベチャベチャせずにしっかりとした歯ごたえがあります。品種特性としてたんぱく含量が低いこともあり、非常に良食味であることがイセヒカリの最大の特徴です。
その由来からイセヒカリは別名「神の米」とも言われており、伊勢神宮では現在でもイセヒカリを御神米として神様に奉納しております。
2020年5月8日に田植えを行いました。
今年はゴールデンウィーク明けの早い時期に田植えです。この田んぼに植えるのは上記で説明している「イセヒカリ」。とても美味しいと評判の上、倒伏しないなどコシヒカリよりも作りやすいので緒方さんも毎年栽培しております。
この日も朝からお一人でのんびりと田植え。昨年はイセヒカリの苗の出来が悪く、半分ほど苗を蒔き直したりと大変でしたが、今年の4月は天候が良く気温も高かったので苗の出来もバッチリです。
2020年6月16日。田植えから一ヶ月経過したイセヒカリの田んぼでは、除草機をかける緒方さんの姿がありました。
「あ〜、朝5時からしよるけん疲れたばい」
2条、つまりわずか2列ずつ除草を行う除草機は1枚の田んぼを除草するのにかなり時間もかかりますし、なにより田んぼのぬかるみの中では単に歩くだけでとんでもなく疲れます。終わる頃には足はパンパンです。しかし田植え後1か月のこの時期の除草がその後の雑草の生え具合に大きく影響するため、緒方さんも端から端まで丁寧に除草を行っております。
植えた直後は細々と頼りなかった苗も、この頃になると葉数を増やし徐々にたくましくなってきます。
「ごめーん、稲刈ってしもたばい!」
2020年9月中旬、緒方さんから連絡がありました。どうやらコンバインの空き状況やら雨予報やらの影響で急いで稲刈りを行ったため、当店に稲刈り取材の連絡ができなかったとのことです。
農業は予定どおりにいかないのが常。米作りの締めくくりである「稲刈り」の写真は商品ページに掲載して消費者のみなさんにぜひ見ていただきたいところですが、当店では生産者ファーストなので致し方ありません。というわけで昨年の稲刈りの写真を掲載しておきます。あしからず!