Nishida Masashi
2015西田正志さん 27年度産商品ページ

西田正志さんが作る
無農薬・無化学肥料栽培のコシヒカリ。

稲刈りを行う西田さん

Harvest 稲刈り

10月14日、稲刈りです。

10月13日に「今から稲刈りするですばい」とお電話をいただいたので写真を撮りに行く準備をしていたところ、 「コンバインのベルトが切れたけん今日は中止!今から修理すっけん明日お願いします」とのこと。当然ですが農機は作業中の現場で壊れることが多いので、その場合修理が大変なんですよね。現場で修理できればいいんですけど、そうでない場合は持って帰るなりメーカーに修理だすなりしないといけませんので。とにかくまた明日お願いします。

そして次の日。午後1時に到着するとちょうど西田さんがコンバインで一周刈ってきたところでした。
「うーん、今年はコシヒカリは収量上がらんばい!」そうなんですよ、他の生産者の方も反1俵から2俵落ちですから。ちなみに慣行栽培もできてないそうなので、農薬・肥料関係なしに天候が悪かったんでしょうね。6、7月は雨ばかりでしたから。「コシヒカリを遅植えした西田さんならあるいは」と思ったんですが、やっぱり少ないですか。まぁ農業にとって天気の影響はどうしようもない問題ですからね。

「今年は田んぼに石灰を入れたんですよ」
そう、それそれ。無農薬栽培歴21年、さらに6年ほど前より肥料を入れない「無施肥栽培」に切り替えておられたのですが、なんでまた今年度に石灰の使用を?それは3年前の九州北部豪雨の影響がありました。

噴煙をあげる阿蘇山と稲刈りを行う西田さん

西田さんの苦渋の決断。
土質を変えるべく圃場に石灰を施肥。

平成21年の7月に九州を襲った前例のないほどの豪雨は阿蘇にも大きな被害をもたらし、西田さんの田んぼにも大量の土や流木が流れこんできました。その年を境にどうやら土質が変わってしまったようで「これまで見たこともなかった雑草が生えるようになってきて、収量も全然取れんようになったとですよ」おそらくは阿蘇山からの火山灰土壌の土が流れ込んできた影響で土が大きく酸性に傾いてしまったようで、とにかくこれまでの田んぼとはまるで変わってしまったそうです。

それから2年間(昨年まで)は何も施さず作付けを行って地力の回復を待ったそうですが、自然災害により大きく変化した土はそう簡単には元に戻らないようで、そこで西田さんは意を決し、酸性の土を中性に近づけるべく石灰を施しました。今年度は劇的な変化はありませんでしたが、これから微生物が増えてくるかどうか見守る必要がありそうです。

ここでついでにと言ってはなんなんですが、当店のコンセプトを少々ご説明いたします。
当店のお米は全て無農薬栽培ですが、肥料は有機肥料を使用している方と全く使用しない無施肥の方の2通りいらっしゃいます。現在は無施肥栽培、いわゆる「自然栽培」がブームですので無施肥栽培のほうが人気があり、時には「施肥を行わない無施肥栽培のほうがレベルが上」のようなご意見がありますが、それははっきり言ってまったくの間違い。肥料は入れる必要がないのに入れるのは全く意味がないのですが、今回の西田さんのように「入れる必要がある」場合は施肥を行うべきだと考えております。土質を変えずに反3俵という再生産できない(農家が利益にならない)収穫量で米作りを続けていても、誰のためにもなりません。そこでどかっと窒素肥料を入れるのは考えものですが、西田さんのように少量の天然石灰などで時間をかけて地力を養っていこうとするのは全く問題ありません。従って当店は無施肥栽培と無化学肥料栽培に上下関係はナシ、なのです。

というわけで表記的には「無化学肥料栽培」となりますが、これまで「無施肥栽培だから」という理由で西田さんのお米をご購入いただいておりましたお客様方にはこれまで通りに西田さんを応援していっていただけたらと思います。

ちなみに使用した石灰は大分県津久見で山から切り出した石灰岩を粉に加工したもの。原料が「岩」ですのでもちろん純粋な天然資材であり、西田さんが毎年取得されている有機JAS認定の資材となります。

1周するごとに籾袋を担いで軽トラに載せる
  • 水害後に生え始めた「ヒルムシロ」は実は絶滅危惧種。阿蘇山から土とともに流れてきたのだろう。

    水害後に生え始めた「ヒルムシロ」は実は絶滅危惧種。阿蘇山から土とともに流れてきたのだろう。

  •  西田さんのコンバインは小型の2条刈り。1周する度に籾袋を下ろす必要があるため、結構大変。

    西田さんのコンバインは小型の2条刈り。1周する度に籾袋を軽トラに下ろす必要があるため、結構大変。

  •   噴煙を上げる阿蘇山。火山灰は稲の品質に影響はないが、コンバインの刃がすぐ駄目になるため出費がかさむ。

    噴煙を上げる阿蘇山。火山灰は稲の品質に影響はないが、コンバインの刃がすぐ駄目になるため出費がかさむ。

除草中の除草アタッチメントの様子

Weeding 除草

ハマったけどなんなく脱出。常用除草機で行う西田さんの除草。

あれ、10時からって言ってたけど、まだちょっとしかやってないっぽいなぁ。今日は西田さんが除草を行う日。10時からなら10時半くらいにいけばちょうど田んぼの真ん中あたりを除草してる写真が撮れるかなと思い、わざと遅めに来たんですが、まだ田んぼの入り口のほうのようです。……って動いてないっぽい?田植え機に近づいてみます。
「いや〜、参った!こりゃ完璧にハマったばい」
どうやら田植え機が田んぼに落ち込んだご様子。西田さんの除草機は6条の田植え機の後ろにドライブハローのようなアタッチメントをつける仕様ですので、どうしても車重が重くなり、ぬかるみの深い箇所ではこのようにハマって動けなくなってしまうことがあります。田植え前なら右に左にハンドルを切って脱出できますけど、田植え後にそれはできませんからね。しかし西田さん、このような事態にも慣れているのでしょう、家から丸太を積んできて田植え機の後輪に括り付け、なんなく脱出。さすがベテラン農家。私だったら慌ててJAF呼んでるとこですよ。

脱出してからの作業は順調。常用で6条ですから3反の田んぼの1時間弱くらいで除草し終わりました。「来年は後輪をダブル(タイヤ数を増やしてハマりにくくする)にしようかな」除草に精を出しつつも、もうすでに来年の除草のことを考えておられます。

真剣な眼差しで除草を行う
噴煙をあげる阿蘇山と稲刈りを行う西田さん
  • 7月9日、ヒノヒカリの稲。この時期、旺盛に分けつが進むのでこれまでに雑草は取り切っておいたほうが良いのだ。

    ハマった田植え機の後輪に下側に丸太を括り付ける。丸太が後輪と一緒に回ることでグリップを稼ぎ脱出する。

  • 田んぼの形に合わせてカーブを描く苗列の間に点々と足跡が残る。鉄矢さんがくまなく手除草を行った証だ。

    脱出し終わったらすぐに除草開始。田植え機後ろに取り付けた除草アタッチメントでガンガン除草していく。

  • 6条の田植え機に6条の除草アタッチメントなので稲を除草することはないが、旋回時にはやや踏み倒す。

    6条植えに6条用の除草アタッチメントなので走行中に稲を除草することはないが、旋回時にはやや踏み倒す。

田植えを行う西田正志さん

Planting 田植え

6月13日、田植えを行いました。

阿蘇のコシヒカリは5月初旬くらいに植えるのが一般的なのですが、西田さんは6月中旬と、1ヶ月以上も遅く田植えを行います。
「兼業農家はゴールデンウイーク中にどうしても田植えを終わらせたいから5月始めには植えてしまうけど、それは早すぎるよ」
西田さん曰く、阿蘇市がいくら高地といえどもそこまで早いと初期の生育が停滞するため、本当は5月下旬、西田さんのように中苗以上を植えるのなら6月に入ってからのほうが稲の生育には良いとのこと。確かによく考えたら、阿蘇市でコシヒカリを作っている五嶋義行さん、後藤朋子さん、酒井さん、みんな田植え遅いですもんね。

  • 遡ること1週間前の6月6日。西田さんの田んぼを通りかかると荒代を掻いていた。この後植代を掻いて田植えを行う。

    遡ること1週間前の6月6日。西田さんの田んぼを通りかかると荒代を掻いていた。この後植代を掻いて田植えを行う。

  • 田植え機に苗を積み込み圃場に入る直前、田植え機にグリスをさす。こまめなメンテナンスが機械を壊さない秘訣。

    田植え機に苗を積み込み圃場に入る直前、田植え機にグリスをさす。こまめなメンテナンスが機械を壊さない秘訣。

  • 6条植えの田植え機は田植えが終わると植え付け部を外して除草機をつけ、常用除草機として活躍する。

    6条植えの田植え機は田植えが終わると植え付け部を外して除草機をつけ、常用除草機として活躍する。

生産情報

  • 生産者

    西田正志

  • 生産地

    熊本県阿蘇市狩尾

  • 品種

    コシヒカリ

  • 農薬の使用

    なし

  • 肥料の使用

    石灰(大分県津久見産)
    大分県津久見の山中から掘り出された石灰岩

  • 除草方法

    機械除草

  • 種籾の消毒

    温湯消毒を実施

  • 種籾の入手

    自家採種

  • 栽培の履歴

    田植え … 2015年6月13日
    稲刈り … 2015年10月14日

当店のお米のこだわり

無農薬栽培の米作りの様子

無農薬栽培米のみ取り扱い 当店は農薬や化学肥料を使用せず栽培したお米のみ取り扱いしております。万が一にも慣行栽培のお米が混ざることはありません。

当店のお米の生産者

信頼できる生産者たち 有機農産物は信頼性が第一。当店では阿蘇地域の生産者とだけ取り引きを行い、さらに栽培期間中は各生産者の圃場へ月に2回以上行き、栽培の様子を直に確認しております。

米袋

無料で脱酸素剤パック お米(5kg売り)には脱酸素剤を入れて無酸素状態にすることで、輸送中や保存時におけるお米の酸化や虫の発生による品質低下を防止しています。

精米

ご注文後に精米いたします お米の精米度合は玄米、白米、7分づき、5分づき、3分づきの5種類から無料にてご選択が可能です。

白米、玄米、分づき米

玄米、白米、分づきが選択可能 お米は精米した瞬間から品質低下が始まります。当店では精米をご注文後に行うことで、できるだけ新鮮なお米をお客様の元へお届けいたします。

新着情報

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