長野さんは毎年田植えが早いので、種籾の温湯消毒も一番乗り。今年は緒方孝行さんと消毒を行います。60度のお湯にきっちり10分間浸して籾を殺菌し、病気の発生を予防します。
4月22日。4月16日の熊本地震の本震後初めて南阿蘇村に来てみると、長野さんの苗も無事に育っていました。
長野さんの自宅がある地区周辺は運良く地震の被害は少なかったのですが、いくつかある田んぼのうち、森の中にある田んぼは地震で壊滅してしまったとのことでした。
残る田んぼも壊れはしていないものの貯水池の水位が極端に減っているそうで、ちゃんと水が来るかどうかは現時点では不透明。しかし全ての田んぼに田植えができる前提で苗をきちんと育てます。
5月5日。水が減っていた貯水池もその後水位が回復したようで、無事に田植えができるようになりました。
昨年は退院直後だったため緒方孝行さんに田植えをしてもらった長野さんですが、今年は2年ぶりにご自身で田植え。地震により田んぼの勾配が傾いたそうですが、丁寧に代かきした結果、まっすぐに植えられるようになったとのことでした。
大変な災害に見舞われた今年度でしたが、無事に稲刈りを迎えることができました。
今年は稲刈りが日曜日だったため、息子の智宏さんがコンバインに乗り稲を刈っているようです。横で北野鉄矢さんが操作をレクチャーしています。長野さんと奥さんは隅の稲を手刈りしたり、中に入って大きめの雑草を引っこ抜いています。
「今年の夏も草がわんさか!除草ばっかりしてました」と奥さん。北野鉄矢さんも「いつ田んぼ通りかかっても中に入って草ば取りよったもんな」と笑います。その甲斐あって、今年も良質なコシヒカリが収穫できました。
なお、今年度は前年度まで使用していた有機肥料(バクテリア・ミネラル・ウォーター)を圃場には使用しておらず、育苗時の苗土にのみ使用しております。