工藤節義さんの無農薬・無施肥栽培のお米。
Harvest 稲刈り
9月21日、稲刈りです。
昨年はヒノヒカリだけを栽培された工藤さんですが、工藤さんの地区ではヒノヒカリやあきげしきの栽培が多く、多くの農家の稲刈りが同じ時期に集中するためにコンバインや操作するオペレーターの日程の都合がつきにくいことから、今年はコシヒカリを多めに栽培いたしました。
本日9月21日はコシヒカリの稲刈り。午後1時半ごろに工藤さんの自宅に行くと、ちょうどコンバインと籾を運搬するトラックも到着したようでした。さっそく稲刈りスタートです。毎年工藤さんの田んぼの稲刈りを行っているコンバインは5条、つまり一度に5列ずつ稲を刈っていく大型のもの。南阿蘇の中では比較的広い田んぼである一枚2反ほどの面積の工藤の田んぼもあっという間に稲刈りが終わってしまいました。次は1反5畝ほどの隣の田んぼへ移動です。
しかし今年も草は少ないですね。除草機は何回か掛けられたんですか?
「いえ、結局一度来られた時に掛けたっきりですから、今年は1回だけですね」
近年足を悪くされているので重い除草機をかかえるのが困難なことから除草機掛けは1回だけだそうです。その後ヒエは何度か手取り除草に入りましたが、心配されたコナギは結局稲に影響があるほどは繁殖しなかったようです。もともとこの田んぼは地力が高く、昨年に無施肥栽培に切り替える前も10年以上化学肥料は入れていなかったほど。水温が19℃を超えコナギが繁殖しだす6月初旬には稲のほうがある程度成長しているため、光要求度の高いコナギは繁殖しないのでしょうか。うむむ、これは手取り除草を減らすヒントになるかもしれませんね。
稲刈りシーズンになっても水路には水がジャブジャブと音を立てて流れております。水源から流れてくる湧水は一年中途絶えることはありません。阿蘇の自然の中、この豊かな湧水を農業用水として使用し、なおかつ農薬、肥料を使用せずに栽培した工藤さんのお米。どれだけ美味しいかはみなさんの舌でご判断ください。
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籾を運搬する方と作業を見守る工藤さん。5条刈りのコンバインは2反ほどの田んぼをあっという間に刈り取り終えた。
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1列ほどは稲わらをカットせずに長いまま排出。これから秋野菜・冬野菜を作る際の敷き藁に利用するそうだ。
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10月に稲刈りを行うヒノヒカリの雑草の生え具合を確認。「ヒエとコナギは少ないけど、タデが多かとですよね」
Summer 夏
1ヶ月ぶりに見た稲はすっかり大きく成長しておりました。
7月30日。前回訪れたのは6月29日の除草の時でしたので、工藤さんの田んぼに来るのは1ヶ月ぶりとなります。
田んぼを見ると、除草の時にはまだ弱々しかった稲もすっかり茎も分けつを繰り返して本数は増えがっちりと太くなり、この時期になるとようやく”稲らしい”姿となってきます。
除草の具合はどんな感じでしょうか。コナギが株間にちらほらと見えますが、数は少なく、この程度であれば稲の生育には全く影響しませんね。ヒエの姿も全く見えません。足が痛くてあまり除草できなかった昨年よりもずいぶん雑草は少ないようです。除草が終わり、ようやく生産者も一息つける季節となりました。あとは水の管理と畔の草刈りを行いながら、実りの秋を待つばかりです。
Weeding 除草
交代交代で、除草機を押しては担ぎ、押しては担ぎ。
6月29日、午後1時。田植えから約1ヶ月を迎えた本日、工藤さんが3回目の除草を行っていると聞きまして田んぼへ行くと、除草機を掛けているのは見知らぬ男性の方。「私の農業の先輩で、除草の手伝いに来てくれたんです」とのことで、今日は2人で交代交代で除草機を掛けているようです。
湿田のため時折り膝まで浸かりながら除草機を押し、端に到達したら担いで方向を変えていきます。除草機が稲の間を通るとすぐにコナギが浮いてきました。「今日は暑かですね。一人だったら倒れとったかもしれんです」額の汗を拭う工藤さんは疲れ気味ながらも充実した笑顔を見せておりました。
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お手伝いに来てくれた先輩と交代で除草機を掛けていく。近年足を悪くされている工藤さんには大助かりだ。
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除草機を通すと大量のコナギの根が浮かんできた。これからコナギは一気に成長していくので今のうち除草しておきたい。
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端まで到達したら除草機を持ち上げUターン。除草機は約18kgもあるため、この作業はとても辛い。
Planting 田植え
ハプニングがありましたがコシヒカリとヒノヒカリを無事に田植え。
5月30日。午前7時に工藤節義さん宅へ到着すると、自宅前の田んぼですでに1枚目の田植えが終わろうとしておりました。「いやぁ、よか天気になったですね」工藤さんが田植え機から苗を取り出しながら空を見上げます。確かに、素晴らしい田植え日和です。ともあれ、無事に田植えできてよかったですね。「そうなんですよ。栃原くんにはまた礼ば言っとかなんです」
工藤さん、今年はコシヒカリを田植えするんですが、いろいろあって田んぼ一枚分ほど苗が足りなくなり、急遽苗を探しておりました。すると前日ヒノヒカリの田植えを終えた栃原さんがヒノヒカリの苗ならあるよ(しかも無施肥栽培)、とのことでしたので、この田んぼだけはヒノヒカリを植えることになったのです。米作りやってると毎年なんらかのハプニングがあるんですよね。でも田植えできてよかったです。
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ヒノヒカリを植え終わりコシヒカリの苗に変えるため苗を取り出す工藤さん。田植えできてホッとしたご様子。
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栃原さんに栽培を委託していた苗は、今年も立派な出来に。もちろん無施肥栽培なので苗にも施肥を一切行っていない。
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田植え機の操縦は近所の農家さんが行い、工藤さんは苗運びや、田植え機のタイヤ後を均す作業を行う。
生産情報
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生産者
工藤節義
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生産地
熊本県南阿蘇村久石
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品種
コシヒカリ、ヒノヒカリ
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農薬の使用
なし
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肥料の使用
なし
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除草方法
機械除草、手除草
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種籾の消毒
温湯消毒を実施
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種籾の入手
育苗は栃原辰郎さんに委託
種籾はいずれも栃原さんの自家採種 -
栽培の履歴
田植え … 2015年5月30日
稲刈り …
コシヒカリ / 2015年9月21日