後藤松子さんの無農薬・無化学肥料栽培のお米。

Harvest 稲刈り
10月16日に稲刈りだったんです。
10月17日。そろそろ後藤松子さんが稲刈りする頃です。コンバインで刈り取りを行うのは北野悦之さんなんで電話をかけてみましょう。
「あ、もしもし北野さんですか。松子さんがそろそろ稲刈りするかな〜と思って」
「ああ、松子さんとこはね……え?あ!ああ〜っ!!昨日の夕方刈ってしもたばい!連絡すんの忘れとった!ゴメ〜ン」
……とのことでした。稲刈りって刈り取るだいたいの時期は決まってるんですけど、具体的な日にちは籾の水分量とかコンバインや乾燥機の空き状況などで突然決まるので、たまにこういう事が起きるのは仕方がないのです。そういや今年は松子さんの種まきの写真も田植えの写真も除草の写真もタイミングが悪くて撮れてません。これで稲刈りの写真までないなんて寂しすぎます。
そ、そうだ!まだ松子さんは酒米の山田錦の稲刈りが残っている!ここはひとつ、ヒノヒカリの代わりに山田錦の稲刈りの写真で手を打とうじゃあありませんか、みなさん!

10月21日。喜多ライスセンターにやってくると松子さんと北野悦之さんが稲刈りの準備をしておられました。「松子さん!先に行って角ば刈りよって!」ということで、松子さんは一足先にライスセンターから歩いて50秒くらいのとこにある田んぼへ。松子さんの田んぼは棚田状になっており、松子さんの自宅を囲んでいる一番上の田んぼが写真を撮り損ねたヒノヒカリの田んぼ、その下段にあるのが今日稲刈りをする山田錦の田んぼ。さらにその下は北野悦之さんの山田錦の田んぼ。もちろんいずれも無農薬栽培です。
元々倒れやすい山田錦ですが、松子さんとこも倒れてますね。「ここは地力があるけんね〜!なんも肥料入れとらんのに倒るっとよ」ヒノヒカリは土壌微生物活性水であるBMW(バクテリア・ミネラル・ウォーター)だけ、山田錦は倒れやすいので今年は無施肥なんですが、それでも倒伏するほどに肥沃な田んぼなんですね。来年はガンガン中干しするしかないですね。
ヒノヒカリの田んぼも山田錦の田んぼも北野さんに除草機をかけてもらった後に手除草に2回入った甲斐があり、ヒエもコナギもほとんどなし。79歳、まだまだ元気な後藤松子さんの無農薬・無化学肥料栽培のヒノヒカリです。

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「倒れとっけん刈りにくかね〜」と言いつつすごいスピードで手刈りしていく松子さん。ベテランの技が光る。
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山田錦の田んぼの上段にはすでに稲刈りを終えたヒノヒカリの田んぼがある。横の家は松子さん宅。
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このコンテナいっぱいで5俵ほどの収量となるそうだ。この分で行くと山田錦の収量は反あたり6俵はありそう。

Summer 夏
おばちゃんパワーで除草した田は、非常に美しく分けつも旺盛!
8月1日。後藤松子さんの田んぼを訪れると、おおっ!立派に分けつしてますね!雑草も全然ない!こりゃ相当除草頑張ったでしょ。
「えっちゃん(北野悦之さん)に除草機を掛けてもらった後、近所のおばちゃん5〜6人くらいで一斉に除草したもんね!」
うわ〜、その写真撮りたかったなぁ。マンパワーならぬオバチャンパワーで行う除草作業。おしゃべりしながらも手際よくグイグイ除草している光景が容易に目に浮かびます。
……って、松子さん、よく見たら左目がめっちゃ腫れてません?「そうよ、今日の朝、草刈り機で草刈りよったら虫に刺されてこぎゃん腫れたバイ」松子さん、自分で草刈りしてるんですか!?79才でよくこの斜面を刈れますね。その足腰の強さ、恐れ入ります。そしてお大事に。

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分けつも多く、茎も太い松子さんのヒノヒカリ。この田んぼは昔から地力があり、稲の生育はとても良いという。
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田んぼの横には線路があり、時折トロッコ列車も通る。手前は無農薬・無化学肥料栽培を示す喜多無農薬生産会の看板。
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虫に刺されて目が腫れている松子さん。実は目を虫に刺されるのは今シーズン2度目。しかも2回とも左目。

Planting 田植え
5月中旬、自宅前の田に田植え。
後藤松子さんの田んぼは自宅のとんとすぐ目の前にあります。水の見回りが楽そうでいいですな。
さて田植えです。種まきに続いて当店の農作業と被ってしまったため取材に行けませんでしたので、田植え数日後に写真を撮りに行ってきました。北野悦之さんが田植え機を操縦し田植えを行った後、後藤松子さんが欠株の部分に手作業で苗を植えていく、いわゆる「補植」を行います。
すでに全面補植を終えていたようで、田んぼの中を見ると後藤松子さんのものであろう足跡が田んぼ中に残っております。この補植、田んぼのぬかるみを歩きながら、当然深く腰を曲げて苗を一本一本植え込んでいきますので、これがまた非常にきつい作業なんですね。


Seed 種まき
今年も北野悦之さんと共同で種まき&苗作り。
後藤松子さんは今年も種まきと苗作りを北野悦之さんと共同で行います。4月末。今日はヒノヒカリの温湯消毒です。喜多ライスセンターにある温湯消毒用の機械「湯芽工房」を使い、ピッタリ60度のお湯にピッタリ10分間種籾を浸し、種籾内の雑菌や病原菌などを殺菌いたします。
数日後、北野悦之さんちにあるビニールハウス内にて種まき作業。……だったそうですが!当店の種まき日と重なってしまったために今年は写真ナシ。それでは寂しいので昨年度の作業の様子の写真と動画を掲載しておきます。
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毎年おなじみ、湯芽工房による温湯消毒。お湯のみでしっかり殺菌できるので、無農薬栽培には欠かせない作業だ。
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去年の種まきの様子。左上の苗箱を機械にセットしようとしている赤いエプロンを着たおばあちゃんが後藤松子さん。
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種をまいたら床に平置きして土をかける。その後シャワーで灌水して太陽シートをかぶせたら作業は終了となる。
生産情報
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生産者
後藤松子
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生産地
熊本県南阿蘇村河陽
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品種
ヒノヒカリ
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農薬の使用
なし
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肥料の使用
有機肥料を使用
肥料の情報:BMW…南阿蘇有機肥料生産センター製の、牛堆肥から抽出した微生物資材。
施肥の箇所:田植え前に圃場へ投入。 -
除草方法
機械除草、手除草
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種籾の消毒
温湯消毒を実施
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種籾の入手
自家採種
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栽培の履歴
田植え … 2015年5月
稲刈り … 2015年10月16日