藤原勝義さんの無農薬・無化学肥料栽培のお米。
Harvest 稲刈り
10月16日、稲刈りです。
今年の藤原勝義さんの稲刈りの日程は二転三転、いや五転六転くらいしました。
10月14日。「明日稲刈りしますんでよろしくお願いします」10月15日午前8時。「やっぱり16日になりましたんでお願いします」10月15日午前10時。「やっぱり今日刈りますもんな」10月15日午前12時。「何回もすんまっせん、結局17日の土曜になりました」10月15日午後2時。「ほんとすいまっせん、迷惑ばかけて……やっぱり16日に酒米の後に刈ります」
というわけで10月16日、午前11時。本当に今日稲刈りするのかな……?と疑心暗鬼に藤原さんの田んぼへ到着すると……ちゃんと刈ってました。けど、終わっているはずの酒米(山田錦)の稲刈りが終わってませんし、なんかコンバインがトラブってるみたいですね。どうやらベルトが外れたみたいです。んじゃ酒米が終わった頃にまた来ます。今日実はうちも稲刈りなんです。
当店の田んぼのササニシキの籾をライスセンター運びがてら、再び藤原さんの田んぼへ。
午後1時。酒米の稲刈りは終わり、その上段のヒノヒカリを周り2周ほどを刈り終え、藤原浩二さんがお昼の休憩をしておられました。ちょうど今から午後の部のようで、浩二さんが颯爽とコンバインに乗り込み、刈り取りを開始。勝義さんは軽トラで籾の運搬を行います。
この時期はヒノヒカリの刈り取りの最盛期を迎え、さらに酒米の山田錦の稲刈りも始まることから、喜多地区のライスセンターは混雑気味。無農薬栽培米専用の乾燥機は3台しかないので、刈り取りや乾燥、籾すりのスケジュールの日程は直前にならないとなかなか決まらないのです。なかなか日にちが決まらないことに藤原さんもやきもきとしておられたようですが、無事に稲刈りを行えたことにホッとしているご様子でした。
雄大にそびえる外輪山、黄金の稲穂を囲む美しい森と竹林。写真には写りませんが、耳を済ますと聞こえてくる白川の流れ。風光明媚な土地で藤原勝義さん親子が作った無農薬・無化学肥料栽培のヒノヒカリ。今年度で無農薬・無化学肥料栽培は3〜4年目(田んぼで異なる)となりました。
ちなみに有機肥料(阿蘇産牛堆肥)は苗を育てる際の土にのみ使用しており、圃場(田んぼ)には施肥は行っていないということです。
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稲刈り中のヒノヒカリの手前の田んぼが午前中に稲刈りを終えた山田錦の田んぼ。どちらも無農薬で栽培している。
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藤原勝義さんの田んぼは息子の浩二さんがコンバインを操縦し稲を刈るため、北野悦之さんの出番はなし。
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積み込んだ籾はすぐにライスセンターへ運び、降ろし終わったらすぐに戻ってきてまた積み込んで運ぶ。とても忙しい。
Summer 夏
この季節になると藤原さんの田んぼはとても美しい風景となります。
7月25日。旺盛に分けつした稲の葉が田んぼを覆い尽くす緑の絨毯となり、南阿蘇の風景を一層美しく見せてくれます。
藤原さんの田んぼもこの季節がもっとも見頃であり、棚田上に並ぶ青田、近くにそびえる阿蘇山、反対側を見れば阿蘇外輪山、さらに写真では伝わりませんが、田のすぐ下には白川が流れており、優しく流れる清流の音が心地よく感じます。
ヒノヒカリの田んぼも隣の山田錦の田んぼも除草はすでに終わっているようで、条間に連なる足跡はくまなく手取り除草を行った後なのでしょう、藤原さんの苦労の後が見てとれます。
Planting 田植え
今日は田植えです(山田錦の)。
本日田植えを行うというので、藤原さんの田んぼにやってきました。……が!実はヒノヒカリの田植えは先日行ったのですが、いろいろと作業が遅れて忙しかったので当店に連絡するのをすっかり忘れていたとのこと。
仕方がないので今日は「喜多いきいきくらぶ」として栽培している酒米・山田錦の田植えの様子を代わりに取材いたします。
田植え自体はヒノヒカリも山田錦も全く同じ作業ですが、山田錦のほうが苗が伸びやすいのでやや背丈は眺め。その分水没しにくいため植えやすいようです。隣の田んぼはヒノヒカリ。すでにしっかり活着しているようです。
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手前の田植え中の田んぼが山田錦、一つ上の田植え済みの田んぼがヒノヒカリ。どちらも正方形の形の圃場だ。
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この日は息子の浩二さんは仕事なので、浩二さんの奥さんがお手伝い。お孫さんも楽しそうに田植えの様子を見ている。
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5条の田植え機で苗を植えていく。山田錦は苗が伸びやすいため、同じ育苗期間でもヒノヒカリよりも背が高い。
Seed 種まき
今年も夫婦二人で種まき作業。
4月23日、今日は藤原勝義さんの種まきの季節がやってきました。例年通り、奥さんが手動の種まき器で苗箱に種をまき、勝義さんが灌水と覆土、そして苗運びを行います。
藤原さんは無農薬・無化学肥料栽培、つまり有機肥料を使用しているのですが、実は田んぼには一切肥料は入れておらず、この苗作りの際の土に南阿蘇有機肥料生産センター製の有機堆肥「牛若丸」を少量混ぜているだけなのです。苗土に有機肥料を入れる目的は健全な苗を育てることが目的であり、田んぼに苗を移植した後は田んぼの持つ地力のみで稲を育ていきます。
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4月16日に温湯消毒。この日は藤原勝義さん、高島和子さん、そして当店と3農家分の種籾を消毒。
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お隣の山都町から持ってきた山土を、さらにふるいにかけてきめ細かな土だけを覆土に使用。藤原さんのこだわりだ。
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種まき、灌水、覆土が終わった苗箱はすぐにビニールハウス内に平置き。このまま無加温で発芽させる。
生産情報
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生産者
藤原勝義
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生産地
熊本県南阿蘇村河陽
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品種
ヒノヒカリ
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農薬の使用
なし
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肥料の使用
有機肥料を使用
肥料の情報:牛若丸…南阿蘇有機肥料生産センター製の牛堆肥を中心とした有機堆肥肥料。
施肥の箇所:育苗時の苗土にのみ使用。圃場への施肥はなし。 -
除草方法
機械除草、手除草
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種籾の消毒
温湯消毒を実施
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種籾の入手
自家採種
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栽培の履歴
田植え … 2015年5月15日
稲刈り … 2015年10月16日