生産者
阿蘇のなかストア
品種
ササニシキ
生産地
熊本県阿蘇市一の宮町坂梨、宮地、中通
農薬の使用
使用なし
肥料の使用
使用なし
農薬不使用の年数
ササニシキ1の圃場 / 29年目
ササニシキ2の圃場 / 4〜7年目
化学肥料不使用の年数
ササニシキ1の圃場 / 29年目
ササニシキ2の圃場 / 4〜7年目
肥料不使用の年数
ササニシキ1の圃場 / 6年目 ※それまでは有機肥料を使用
ササニシキ2の圃場 / 4〜7年目
2020年、令和2年度の米作りです。
これまで色々な品種を作ってきた当店ですが、今年度は「ササニシキ」のみ栽培いたします。理由としましては今年度は栽培面積が減ったことが一つ。これまでお借りしていた田んぼが地主さんの息子が作ることになったので返却しました。広面積で同じ品種を作ると田植えや稲刈りが間に合わなくなるので違う品種を作ることにより作業時期をずらしていたのですが、これをする必要がなくなりました。
もう一つの理由は「手間」。異なる品種を作るのは色々な苦労があり、種まきも別の日に行わなくてはいけないし、なにより絶対に混ざらないように気をつけるのが大変であり・・・。
そんなわけで全面積ササニシキ一本でいくことにします。
今年はササニシキだけですので温湯消毒も非常に楽ですね。4kgずつ袋に詰めた種籾を60度のお湯に10分浸して病原菌を殺菌していきます。
食用の「うるち米」はササニシキだけですが、実際は赤米、緑米の「古代米」も少面積作りますので、この種籾も一緒に殺菌します。どちらもお湯に浸したら色が出るので古代米の消毒は一番最後にします。
田んぼと田んぼを隔てる「畦」を畦塗り機という専用の作業機で塗り直します。これで水漏れ対策もバッチリ。
苗代作りは今年もハンドローラーで固める「乾田苗代」で作ります。この方式にしてからは苗箱並べが非常に楽になり、数日かけて一人で2000枚以上並べてもそれほど疲れもありません。
とにかく苗が伸びにくいのがササニシキの特徴。肥料を使用すれば問題ないのかもしれませんが、無施肥の育苗だとササニシキはぜんぜん背が伸びません。ヒノヒカリや森のくまさんなどは無施肥でも気温だけでどんどん伸びるんですけどね。
というわけで今年は一つ実験をしました。育苗初期は保温、保湿、鳥害防止のため苗箱の上にシート状の不織布をかぶせるのですが、通常、この不織布は気温が上がってきたらタイミングを見て剥がします。不織布の中は外気温+5度くらいになりますので、外気温が上がってくると苗が焼けてしまうのです。いつもはゴールデンウィーク明けくらいには剥がします。
しかし今年はササニシキの苗の半分は田植え直前の5月20日以降まで不織布を剥がしませんでした。ササニシキの苗があまりに伸びないのでできるだけ気温が高い状態を保つのが目的です。気温が高い日は水をかけ流すなど水温で調整し、苗焼けと徒長(苗の伸び過ぎ)を防いだ結果・・・、どうやらササニシキは不織布はかけっぱなで良いようです。
阿蘇の気温では不織布一枚では苗焼けしませんし、気温の高い日も水温で調整もできました。伸びも明らかに不織布をかけていた苗のほうが良いです。本当は不織布をベタがけでなく、トンネルにしたほうがもっと良いのかもしれません。来年試したいと思います。
今年も常用除草機で除草します。基本的には常用除草機で楽々除草してたのですが、今年は7月がまるまる一ヶ月雨だったせいか、クログワイの発生がものすごく、前に進む推進力を利用した除草機では除草しきれなかったので、3年ぶりくらいに歩行式の動力除草機を使用しました。いや〜、田んぼの中を丸一日歩くと足がパンパンになりますね。
稲刈りは10月25日から4日かけて行いました。
今年は7月は雨ばっかりだったくせに8月は雨も夕立もほどんどなかったという妙な天候だったせいで水が足りずにヒエとクログワイが結構繁殖してしまいました。
また、7月に気温が上がらなかった影響で分けつ(稲の茎が増えること)が少なく、九州地方全体でお米の収穫量が非常に低い結果となりました。
天候は我々にはどうしようもないこととは言え、、昨年は5月に雨が降らずに水不足になってましたし、農業でも天候にかんしてはこれまでの常識が通用しなくなっております。
話は変わりますが、稲刈りの写真撮り忘れたんで昨年の写真載で勘弁してください。生産者さんの作業の写真は一生懸命撮影するんですが、自分の作業だと撮るの忘れるんですよね。